Typhoon™ データ収集システムは、最も正確かつ強力な誘導分極および電磁地球物理探査技術です。
Typhoon™ テクノロジーは、既存のテクノロジーよりも、より強力であるだけでなく、より高品質の一次信号を発信します。
物理探査はさまざまな地質環境でこれまで長年使用されてきましたが、Typhoon™ テクノロジー は既存のソリューションよりも、より深くまで、より高解像度に、より迅速に、探査し、より良い結果を得ることを可能にします。
Geo Dreamsは、この技術を開発し保有するI-Pulse社と提携し、この技術を我が国に導入して地熱等の探査に活用していきます。
世界中の鉱物探査企業は現在、地下の新たな埋蔵鉱床を発見するべく、探査活動を進めています。しかし、その多くが、「広大なエリアの中で、これまで経験したことのない深さや、過酷な地下環境に存在する天然資源を探し出さなければならない」という大きな課題に直面しています。
天然資源を地下深くから掘り出すためには、まず地中に穴をあけて探査する必要があります。しかし、1本の掘削作業には数億円もの費用がかかるとされている上に、確実に掘り当てるためには高度な精度が求められます。掘削角度がわずか一ミリでもずれてしまえば、目的の資源を見つけ出すことはできないのです。
膨大なコストがかかるのに、成功確率が低い。
それが、これまでの探査技術の現実です。
このため、広大なエリアを効率的に探査することは困難だと言われてきました。実際、従来の鉱床探査技術のコストは、2011年には110億ドルに達し、1980年代と比較して3倍に増加しました。
それだけの費用をかけてもなお、地下の天然資源の発見率は年々低下し続けているのです。このような背景から、地下の天然資源探査の方法における技術革命が切望されていました。
世界をリードする高パルス出力企業「I-PULSE」は、この大きな課題に取り組むため、カナダ・バンクーバーを拠点とする鉱物探査企業「アイヴァンホ―・エレクトリック」と力を合わせ、革命的技術Typhoonを開発しました。
Typhoonは、地球物理学的探査の深度・品質、そして効率を劇的に向上させることを可能にしました。これにより、地下の構造を可視化し、まるで地中のレントゲンを取るかのように詳細な情報を得られるようになったのです。
この革新的な技術により、広範囲かつ深い部分までの高精度な解析が可能となり、探査の質と速度が大幅に改善されました。以前は探査が困難だった地域での天然資源の発見と回収に、大きく貢献することができるようになったのです。
さらに、この技術は地熱発電の分野にも革新をもたらす可能性を秘めています。
私たちGeo Dreamsでは、地熱発電における探査にも同じような課題があることを認識しており、Typhoonの応用によって、これらの課題を解決し、蒸気のある場所を効率的に探し出し、地熱エネルギー分野での大躍進をめざしています。
Typhoon技術は、以下の5つの特徴を持つ、地下探査の分野における革新的な技術です。
Typhoonは最大で50アンペアにも達する高電流を地下に注入できる能力を持っています。
これは、従来の地下探査技術が注入できた電流の5~10倍に相当します。この高パルス出力により、より深い地層まで探査することが可能になります。
高電流注入により、従来の技術では到達できなかった3倍以上の深さでの探査が可能になります。これにより、以前は探査が困難だった地層や鉱床の発見可能性が大きく高まります。
Typhoonは地下の電気的特性を非常に高い精度で捉えることができます。これにより、地下構造のより詳細な画像を生成し、鉱物資源の正確な位置と量を特定することが可能になります。
Typhoonは少量の水を使用して手掘りのピットから高電力を注入することで、広範囲の地域を迅速にカバーすることができます。また、電極間隔を長く取りつつも、トランスミッターの移動を最小限に抑えることで、調査の効率性を高めます。
Typhoonは、乾燥した土壌や高い抵抗性を持つ地域など、従来の地球物理学的手法では探査が困難だった環境でも使用することができます。この適応性により、これまで探査が難しかった地域での資源発見の可能性が大きく拡がります。
北ナミビアはアフリカ南西部に位置し、北ナミビア・ナミビアは世界有数の鉱物産出国として知られています。
従来の探査手法では、作業に8年間という年月をかけたにもかかわらず成果を上げることができず、その豊富な資源を手に入れることはできませんでした。しかし、Typhoon技術の導入により、わずか6週間で120平方キロメートルの範囲を探査し、成功をおさめたのです。それだけではなく、さらなる探査ターゲットを明確にすることにも成功しました。これにより、探査プロセスがより効率的になり、資源発見の確率を大幅に高めることができました。
アタカマ砂漠は、チリのアンデス山脈と太平洋の間に広がる海岸砂漠です。世界で最も降水量の少ない地域で、土壌は極端に乾燥しています。岩塩や石灰の堆積層で覆われている箇所が多いですが、その分、銅・銀・ニッケル・リチウムなどの鉱物資源に富んでいる魅力的な土地でもあります。
こちらも探査が困難な地域でしたが、Typhoonの導入により探査が劇的に改善。総面積が110平方キロメートル(東京ドーム約2350個分)の4つの調査エリアを、わずか4週間で完了することができました。
これらの例は、Typhoonが従来の地球物理学的手法では適していなかった地域で、効率的かつ効果的に調査し、新たな掘削対象を発見できることを示しています。この技術革新は、日本の温泉地や、これまで開発に苦戦していた地域での井戸掘削の可能性を大きく広げるものです。
Typhoonによる地球物理学的探査技術の進化は、資源探査の新時代を告げるものと言えるでしょう。